この記事の結論
- 額面の67%でも、手取りで比べると通常の85%。税金がかからず社会保険料も免除だから
- 夫婦そろって14日以上取れば、最初の28日は手取り100%を超える
- 半年(180日)を過ぎると50%に下がる。ここが本当の分かれ目
「67%に減る」は、手取りの話ではない
月給30万円の人が、育休中に受け取る額(手取り)
20.1万円
通常の手取り23.7万円に対して85%。額面の67%という数字より、実感はずっと軽いはずです。
育児休業給付金は額面(休業前の賃金)の67%です。 「3割減るのか」と身構える人が多いのですが、手取りで比べると印象が変わります。 理由は2つあります。
| 働いているとき | 育休中 | |
|---|---|---|
| 額面・給付額 | 30.0万円 | 20.1万円(67%) |
| 社会保険料 | −4.5万円 | 0円(免除) |
| 所得税・住民税 | −1.8万円 | 0円(非課税) |
| 手元に残る額 | 23.7万円 | 20.1万円 |
給付金には税金がかからず、社会保険料も免除されます。 だから額面67%でも、手取りでは85%が残ります。
夫婦で取ると、最初の28日は10割になる
2025年4月に出生後休業支援給付金が新しくできました。 両親がともに14日以上の育休を取ると、最大28日分について 13%が上乗せされ、給付率が80%になります。
給付金は非課税・社会保険料免除なので、受け取った額がそのまま手取りになります。
試算の前提
- 月給30万円・賞与なし(年収360万円)のモデルケース
- 社会保険料は年収の15%として概算
- 所得控除は基礎控除48万円と給与所得控除のみ
- 給付には上限があり、月額496,200円を超える部分は出ません
最初の28日は、働いていたときの手取りをわずかに上回ります。 「収入が減るから取れない」という理由は、ここでは成り立ちません。
本当の分かれ目は、半年を過ぎたあと
気をつけるべきは180日を過ぎてからです。給付率が67%から50%に下がり、手取りで見ると通常の63%になります。 月給30万円の人なら、20.1万円が15.0万円。差は月5万円です。
1年取るつもりなら、後半の半年はこの水準が続きます。復職の時期は、この段差を見てから決めたほうがいいでしょう。 保育園の入りやすさだけで決めると、家計の見通しを外します。
高収入の人は、上限に当たる
給付には上限があります。月額496,200円が天井なので、 額面の67%がこれを超える人(月給74万円以上)は、そこで頭打ちです。 年収が高いほど、給付率の実質は下がっていきます。
手続きは会社経由。ただし期限がある
| いつ | すること |
|---|---|
| 妊娠が分かったら | 勤務先へ報告(育休の申出は原則1ヶ月前まで) |
| 産後 | 会社がハローワークへ申請。自分で出す書類もある |
| 2ヶ月ごと | 支給申請。会社がまとめてやることが多い |
| 期限 | 育休開始から4年以内(さかのぼれるが放置しない) |
育児休業給付金は雇用保険から出ます。給与明細の「雇用保険料」は、これの財源です。 毎月0.5%を払っている以上、使わないほうが損です。
給付が止まる・減るケース
| 起きること | 扱い |
|---|---|
| 休業中に働いた | 就業日数が月10日(かつ80時間)を超えると、その月は支給されない |
| 会社から給与が出た | 給与と給付の合計が休業前賃金の80%を超えると、超えた分だけ減額 |
| 子が1歳になった | 原則そこで終了。保育所に入れない等の事由があれば延長できる |
| 復職した | 復職日の前日まで |
「少しだけ手伝う」が危ないところです。月10日を超えて働くと、その月はまるごと出ません。 会議への出席や緊急対応も日数に入るので、 休む前に勤め先と線引きを決めておいてください。
ほかに使える制度も、まとめて確かめる
出産と育児のまわりには、出産育児一時金50万円、出産手当金、 児童手当、妊婦のための支援給付10万円など、申請しないと受け取れない制度が並んでいます。 制度診断で、自分に当てはまるものをまとめて確かめられます。