この記事の結論

  • 貯蓄型保険=「割高な保障+低利回りの運用」の抱き合わせ。どちらの機能でも単品に負ける
  • 月2万円×30年の比較で、差は179万〜563万円
  • しかも途中でやめると元本割れ。「戻ってくる」の裏面は「やめると罰金」

月2万円を30年、2通りに振り分けると

試算の前提

  • 毎月2万円を30年(払込総額はどちらも720万円)の机上比較
  • A案: 貯蓄型の終身保険。30年後の返戻率を仮に110%とする
  • B案: 掛け捨て保障(月3,000円)+残り月1.7万円を年3%または5%で運用(税は考慮しない概算)
30年後に手元にあるお金(払込はどちらも720万円)
A案: 貯蓄型保険ひとすじ返戻率110%の場合約792万円
B案: 掛け捨て+年3%で自分で運用約971万円
B案: 掛け捨て+年5%で自分で運用約1,355万円

B案は保障も別で持ったうえでの比較。掛け捨てならむしろ大きな保障を安く持てる。

差は179万〜563万円。 貯蓄型の月2万円は「保障のコスト+保険会社の経費+運用」に分解されますが、内訳はほぼ開示されません。自分でやれば経費ゼロ・全額自分名義です。

「戻ってくるから安心」の裏面

貯蓄型は途中で解約すると多くの場合、元本割れ(特に最初の10年)。 「いつでも引き出せる自分の積立」と「やめると罰金の積立」、安心なのはどちらでしょう。

学資・個人年金・外貨建ても、ぜんぶ同じ型

商品売り文句実態
終身保険一生涯の保障+貯蓄保障は割高、貯蓄は低利回り
学資保険子どもの学費を確実に返戻率は微増。18年縛りの積立
個人年金保険老後に備えてiDeCo・NISAのほうが税優遇も利回りも上
変額・外貨建て増える可能性実質は高手数料の投資信託+為替リスク
名前が変わっても「保障と貯蓄の抱き合わせ」という型は同じ。

原則は1つだけ:保障は掛け捨てで安く買う。増やすお金は自分名義で運用する(投資と保険の分離)。混ぜて得をするのは売る側だけ。

なぜ利回りが低くなるのか

保険会社が運用で損をしているわけではありません。払った保険料の全額が運用に回っていないのが理由です。

払った保険料の行き先中身
純保険料(保障の原価)死亡保険金の支払いに充てられる部分
付加保険料(経費)人件費・広告費・販売した人への手数料
積立に回る部分ここだけが運用される

とくに契約して最初の数年は、販売手数料の回収に充てられるため 積立に回る割合が小さくなります。 早期に解約すると大きく元本割れするのは、このためです。

解約する前に、順番がある

「損だと分かったから今すぐ解約」は、いちばんまずい動き方です。 確かめる順番があります。

順番やること
① 解約返戻金の額いまやめたらいくら戻るか。保険会社に聞けばすぐ分かる
② 払込満了までの残り満了間近なら、続けたほうが有利なことがある
③ 乗り換え先の確保持病があると掛け捨てにも入れないことがある
④ 減額という中間案全部やめず、保障額を減らして保険料だけ下げる

③を飛ばすのがいちばん危険です。解約してから新しい保険に申し込んで、健康状態を理由に断られると、 保障が無い状態になります。新しい契約が成立してから解約する。これだけは順番を守ってください。

税金の面でも、分けたほうが有利

貯蓄型の保険料も生命保険料控除の対象ですが、上限は所得税で年4万円ぶんです。 月1万円を超える保険料を払っていても、控除はそこで頭打ちになります。

増やす手段税の扱い
貯蓄型の保険保険料は控除の対象(上限あり)。満期金・解約返戻金には課税
iDeCo掛金の全額が所得控除。運用益も非課税
NISA掛金は控除外。ただし運用益がまるごと非課税

増やす目的なら、税の面でも保険は不利です。保障は掛け捨てで安く買い、増やす分はiDeCoやNISAへ。 これが「分ける」ことの中身です。

いま入っている人は?

慌てず2つ確認:①解約返戻金がいまいくらか、②掛け捨ての乗り換え先を先に確保できるか(持病・告知)。 そもそもの考え方は保険は結局、要るのかへ。

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